家を楽しむ おいしい生活タイトル4
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 梅雨が明けたらあの季節、そう、夏です。入道雲が湧き上がり、どこまでも高い青空が広がる――そしてジリジリと照りつける太陽と高い温度&湿度。そんな、明るいけれど過酷な季節を美味しく乗り越える、アイス珈琲のつくりかたをガイドします!

夏はこの飲み物でのどを潤し、ほっと一息つく瞬間がたまりません。

3種類の淹れ方

 一言でアイス珈琲といっても、実はいろいろと作り方があります。それぞれ味に特徴があり、同じ豆を使ってもキャラクターが変わるので、それもまた面白いところでもあります。でき上がるのに掛かる時間も違うので、自分の好みや急ぎ具合によって使い分けるのがいいですね。今回は3つの方法をご紹介します。その3つというのは……

 A.直接冷却法
 B.間接冷却法
 C.水出し

です(直接冷却とか間接冷却というのは私が勝手に呼んでるだけであります!)。それぞれの淹れ方は下の本編で詳しくご説明しますが、まずはアイス珈琲の基本的な3つの考え方から解説しましょう。

アイス珈琲の基本その1「急冷して美味しさを閉じ込める」

 珈琲抽出液というものは、熱いまま放っておくと酸化(劣化)していきます。酸化しますと風味が落ちてしまいます。そこで、熱い液をなるべく急速に冷却するのが美味しさの秘訣です。急冷して美味しさを閉じ込めるイメージです。

アイス珈琲の基本その2「豆とその挽き具合」

 ホット珈琲でも同じですが、できるだけ新しい豆を使いましょう。豆の焙煎度は、一般的には深煎りがよいとされていますが、私はやや酸味の残る中深煎りを使うのも好きです。深煎りのほうが、しっかりした味になります。

 豆の挽き具合はお好みですが、濃い珈琲が好きな人は細挽きで、あっさりが好きな人は中挽きがいいでしょう。細挽きにすると、苦みだけでなく渋みも出やすくなります。飲みにくいとも言えますが、豆の個性をより味わうことができるように私は思います。いろいろ試してみてください。

 1杯分=120mlを淹れるのに、豆は12g~15g使いましょう。つまりホット珈琲よりやや多めにします。氷で薄まるからです。

アイス珈琲の基本その3「珈琲の落とし方はホットと同じ」

 水出し以外は基本的にホット珈琲を淹れるのと淹れ方は同じです。ペーパーフィルターを使って、ゆっくりと落としていきましょう。(参考→VOL.002『珈琲のある暮らし』)

ではさっそく淹れてみましょう!

A.直接冷却法

熱い珈琲抽出液を氷のなかに直接落として急冷する方法です。

【所要時間】 短  い ●・・・・ 長  い
【味の傾向】 しっかり ・・●・・ さっぱり
【メリット】 すばやく淹れられる
【デメリット】濃度調整がやりにくい

 なんといっても、氷が詰まったサーバーのなかに直接液体を入れていくので、スピードはピカイチです。急冷できるため、品質低下が最も少ない方法でもあります。いっぽうで、氷の量と抽出量のバランスで濃くなったり薄くなったりというように濃度調整がちょっと難しいところもあります。1杯分120ml淹れたい場合は、珈琲の抽出を60ml程度で止めるのがいいでしょう。また、氷=生水なので、ちょっと生っぽい味になりやすいです。

氷をサーバーに詰めます。

その上に、直接珈琲を抽出します。

たったこれだけ! 簡単です。

B.間接冷却法

熱い珈琲抽出液を容器に入れたまま氷水につけて間接的に冷却する方法です。

【所要時間】 短  い ・●・・・ 長  い
【味の傾向】 しっかり ●・・・・ さっぱり
【メリット】 水っぽくなりにくい
【デメリット】少し手間がかかる

 味(濃度)が調整しやすく、もっとも珈琲豆本来の味が楽しめる淹れ方だと思います。急冷するには、容器がポイント。理科の時間みたいですが、ここでは「熱伝導率」の高い容器で冷やします。理想は、アルミのボウルです。アルミは熱伝導率が約240と高い(熱が伝わりやすい)ため、効率的に冷やすことができます。なければステンレス(熱伝導率20)でもいいです。サーバーに使われているガラスは熱伝導率が1程度しかなく、氷水につけてもなかなか冷えませんので、あまりおすすめしません。

ボウルを2つ(大と小)を用意しておきます。

大きいほうのボウルに氷水を準備。氷はなるべく多いほうがすぐ冷えます。

いつもように、サーバーに熱い珈琲を淹れます。

サーバーに落とした珈琲液を小さいほうのボウルに空け、氷水のボウルにつけます。かき混ぜたほうが効率的に冷えます。

最後は「水出し」です!

C.水出し

挽いた珈琲豆を水に浸して、長い時間(4時間~一晩)をかけてじっくり抽出する方法です。

【所要時間】 短  い ・・・・● 長  い
【味の傾向】 しっかり ・・・・● さっぱり
【メリット】 雑味のない珈琲が淹れられる
【デメリット】簡単だが長時間かかる

 水出し珈琲の魅力は、なんといってもその透き通った味です。え、これが珈琲なの? というような、普段飲んでいる珈琲とはひと味違うさっぱり感。苦みや渋みといった成分が少なく、まじりけのない「珈琲の香り」を楽しめる淹れ方だといえると思います。また、つくりかたも簡単。お湯を沸かす必要がなく、夜に仕込んでおいたら朝食にさっと出せるのもいいですね。

挽いた豆を、直接容器に空けます。

容器はサーバーでなくても可。

直接そこに水を注ぎます。水の量は1杯につき150ml程度。

水を注いだら、スプーンで一度混ぜます。

ラップをして8時間程度冷蔵庫に入れておきましょう。

時間を置いたら、もう一度混ぜておきます。空のペーパーフィルターを用意。

液を濾します。

出来上がり!

いよいよ至福の時間です!

 さて、でき上がったらさっそく飲みましょう~。
お好みで氷を入れて、そこに珈琲を注ぎます。薄まるのがイヤな方は、氷なしで。

氷を入れたカップに

注ぎます。美しい。

Have a good time and relax!

それから、アイス珈琲も豆の種類や焙煎度によって味がいろいろ楽しめます。私の個人的なお勧めは、

・コクがあってフルーティーなケニアやタンザニアのやや深煎り
・フローラルな香りが爽やかなエチオピアの中深煎り
・ガツンとパワフルに苦いインドネシアのやや深煎り

ですかね~。ぜひお好みの豆と淹れ方のベストマッチを見つけてみてください!

美味しく冷たいアイス珈琲で、今年の夏を豊かに過ごしましょう!!!

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Kitchen 313 Kamiyuge

元・横浜市民で編集者・ライター・珈琲焙煎家の宮畑周平と、料理研究家の真紀による、「おいしいもの」づくりユニット。2010年に瀬戸内海の離島・弓削島に移住、築およそ100年の古民家で暮らす。子ども3人を育てつつ、14年に自宅の蔵をリノベして工房にし、そこを拠点に活動中。

〒794-2503 愛媛県越智郡上島町弓削上弓削313 (Google Map)
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