家を楽しむ おいしい生活タイトル4
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もう10年も前になるのですが、ジム・ジャームッシュ監督の『Coffee and Cigarettes』という映画を見て、珈琲っていつも人生のそばにあって、いいなあと思ったんですよね。映画ではただの脇役なんですけど、『Beer and Cigarettes』でもなく、『Tomato Juice and Cigarettes』でもなく。ほんとに何でもない飲み物なのに、なぜこれだけ人々に愛されるのか。それはたぶん、文化の深さなんじゃないかと最近思うようになりました。

たった一杯の珈琲がそばにあるだけで―あるいはそれを淹れるちょっとした手間で―その場所は素敵になり、人の心は豊かになるのです。ではどうしたら珈琲を(カッコよく、味わい深く)楽しめるのか。いくつかの抽出方法がありますが、ここでは一般的なペーパードリップの方法をご紹介します。

まずは新鮮な豆をゲット

珈琲は生もの。野菜や肉のように、古いものより新しいものがより美味しいです。飲み頃は、豆のままだと焙煎から2週間、挽くと3日くらい。それ以上たつと香りが落ちていってしまいます。ただし、豆の見た目で鮮度をはかるのは難しいので、できるだけ良く売れてそうな(回転の早そうな=つまり豆が新鮮)珈琲豆屋さんで買うのがいいでしょう。

苦いのが好きなら深煎りの豆を、酸っぱいのが好きなら浅煎りを、中間ぐらいは中深煎りをチョイス。また珈琲豆屋さんによって味づくりの考え方が違います。自分の嗜好にあうお気に入りのお店を探してみてください。

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珈琲の味はほんとに千差万別。自分に合ったお店、自分に合った豆を。

珈琲を淹れること、それは一種の儀式

さて、新鮮な豆を家に持ち帰ったら、さっそく一杯の珈琲を淹れてみましょう。珈琲を淹れるのは、一種の儀式。心静かに、珈琲の抽出をおこないます。でも珈琲を淹れることはそんなに難しいものではありません。人によってあれこれこだわりがあったりしますが、基本的にはただ挽いた豆にお湯を通して濾過をするというだけなので、まずはお気軽に自分なりの「珈琲の儀式」を楽しみましょう。

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珈琲器具一式。道具にこだわるのも楽しいものです。

儀式は豆を挽くところから

珈琲を淹れる儀式は、豆を挽くところから始まります。お気に入りのミル(グラインダー)にゆっくりと豆を投入。豆は一人分でおよそ10g程度です。お手軽に電動のミルでもいいし、手しごとの雰囲気重視の方は手挽きのミルも。ちょっと手間がかかるけれど自分の手でゴリゴリする魅力も捨てがたいものです。

珈琲豆を挽くといい香りが立ちこめるのは、豆から香味成分が放出されているから。つまり、挽いた豆からはどんどん香りが出ていくのです。豆のままだったら2週間程度もつものが、挽くと3日程度というのはこのような理由です。だから珈琲豆はなるべく淹れる直前に挽くのがベター。

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さあ、儀式の開始です。だいたい一人分10gが目安。メジャースプーンがあると便利。

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うちはKalitaのナイスカットミルを愛用。すばやく均一に挽けます。

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挽いた豆。いい香りが立ち上ります。ああ~幸せ♪

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ペーパーフィルターの端を折って、ドリッパーにうまくはまるようにします。

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ここではHarioのV60ペーパーフィルターを使っています。湯がスッと落ちて、雑味のない珈琲が淹れられます。

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沸騰したお湯をいったんサーバーに空けます。
これは湯の温度を少し下げるのと、サーバーを湯煎するのとを兼ねています。カップの湯煎も忘れずに。

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お湯をポットに戻すと、お湯の温度はおよそ90度くらいになっているはず。このくらいがまずは適温です。

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ドリッパーをサーバーにセット。静かにお湯を落とします。どちらかというと、お湯を「置く」イメージ。
サーバーに少しポタポタと液が落ちる程度の量を目安に入れたら、30秒ほど蒸らします。

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蒸らすと、新鮮な豆は内部のガス(=香り)をさかんに放出し、こんな風にハンバーグのようにプックリと膨らみます。
これが新鮮な証拠。香りだけでなく目でも珈琲の元気さを楽しんでください。

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これは古い豆を使った場合。ぺったりして元気がありません。
古い豆はガスが抜けきって(=香りが抜けて)しまっているので、上手く膨らまないし、美味しさも半減。

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蒸らし終わったら、少しずつお湯を落としていきます。
新しい豆はこのように豊かな泡がプクプク出てきます。古い豆はこうはいきません。

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はじめにこのような濃くてクリアな珈琲液を抽出するのが、美味しさの秘訣です。
なので、はじめのほうはお湯を差すのを少しずつ。

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淹れていくうちにだんだん落とすお湯の量を増やしていきます。
だいたい500円玉の大きさ~少し大きいくらいの直径で、円を描くようにお湯を注ぎます。
ここでは決してペーパーフィルターにお湯を当てないこと。

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杯数分だけお湯を注いだら終了。落としたあとはこんな風にすり鉢状の出がらしが残っているはずです。
湯煎しておいたカップに珈琲を注いで、完成。淹れる量にもよりますが、挽くところからだいたい5分といったところです。

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今日は甘夏のピールとともにいただきます。豆はエチオピアを使ってみました。
うーん、いい香り。なかなかいい週末の昼下がりです。

いかがでしたか?
5分ぐらいのわずかな手間をかけるだけで、香り豊かな時間を過ごすことができます。
夫婦で、恋人や友達同士で、珈琲のある暮らしを楽しんでみませんか。
それでは次回をお楽しみに!

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Kitchen 313 Kamiyuge

元・横浜市民で編集者・ライター・珈琲焙煎家の宮畑周平と、料理研究家の真紀による、「おいしいもの」づくりユニット。2010年に瀬戸内海の離島・弓削島に移住、築およそ100年の古民家で暮らす。子ども3人を育てつつ、14年に自宅の蔵をリノベして工房にし、そこを拠点に活動中。

〒794-2503 愛媛県越智郡上島町弓削上弓削313 (Google Map)
TEL:0897-72-9075
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